新しい請求書等保存方式について

令和元年10月からの消費税率引上げに伴う軽減税率制度の実施により、複数税率になるため日々の取引や経理事務において従来の記載事項に加え、新たに税率ごとの区分を記載した請求書等の交付や保存、税率ごとに区分した記帳などの経理が必要になります。以前にも一部掲載させていただきましたが、前回と今回で、特殊な事項について詳しくお伝えさせていただきます。

(1)「軽減対象資産の譲渡等である旨」等の記載がなかった場合の追記

仕入先から交付された請求書等に、下記図表の「⑥軽減税率の対象品目である旨」や「⑦税率ごとに区分して合計した税込対価の額」の記載がないときは、これらの項目に限り、交付を受けた事業者自らが、その取引の事実に基づき追記することができます。
 ただし、記載されている項目の修正や、その他の項目の追記は認められません。

図表 制度実施前と実施後の帳簿及び請求書等の記載事項

期間 帳簿への記載事項 請求書等への記載事項

令和元年9月30日まで

【請求書等保存方式】

①課税仕入れの相手方の氏名又は名称

②取引年月日

③取引の内容

④対価の額

①請求書の発行者の氏名又は名称

②取引年月日

③取引の内容

④対価の額

⑤請求書受領者の氏名又は名称※

令和元年10月1日から令和5年9月30日まで

【区分記載請求書等保存方式】

(上記に加え)

⑤軽減税率の対象品目である旨

(上記に加え)

⑥軽減税率の対象品目である旨

⑦税率ごとに区分して合計した税込対価の額

※小売業、飲食店業等不特定多数の者と取引する事業者が交付する請求書等には、⑤の記載は省略できます。

(出典:国税庁 「よくわかる消費税軽減税率制度(令和元年7月)」より一部抜粋)

(2)免税事業者からの課税仕入れの取扱い

区分記載請求書等保存方式においては、制度実施前と同様に、免税事業所からの課税仕入れについても仕入税額控除の適用を受けることが出来ますが、この場合においても区分記載請求書等の保存が要件となります。
 したがって、免税事業者が課税事業者に軽減税率の対象となる商品を販売する場合、相手方の課税事業者から区分記載請求書等の交付を求められることが想定されます。

※ (1)のとおり、上記図表の⑥、⑦の記載がない場合には、取引の事実に基づき追記することが可能です。

(3)3万円未満の取引等に係る仕入税額控除について

3万円未満の少額な取引や自動販売機からの購入など請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由があるときは、制度実施前と同様に、区分記載請求書等の保存が無くても、帳簿の保存のみで仕入税額控除の要件を満たすこととなります。ただし、帳簿にはこれまでの記載事項に加え「軽減税率の対象品目である旨」の記載が必要です。

(4)一定期間分の取引のまとめ記載

例えば1か月分など、一定期間分の取引をまとめた請求書と、日々の取引内容について記載された納品書等との相互の関連性が明確で、かつ、これらの書類全体で記載事項(軽減税率対象品目である旨等)を満たす場合には、制度実施前と同様に、これらの書類をまとめて保存することで仕入税額控除の請求書等の保存要件を満たします。

(5)軽減税率の対象となる取引がない場合の請求書等の記載

軽減税率の対象となる取引がない場合、請求書等に「軽減税率の対象品目である旨」や「税率ごとに区分して合計した税込対価の額」の記載は要しません。したがって、制度実施後も請求書の記載事項に変更はありません。

 

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