帳簿保存のみの保存で仕入税額控除が認められる取引

   インボイス制度で変わる経費精算のルールについては、以前にもお伝えしましたが今回は公共交通機関による旅客の運送や従業員等に支給する出張旅費等は、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除ができます。今回はその詳細を解説します。

◆適格請求書等保存方式の下では、帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件とされていますが、公共交通機関による旅客の運送や従業員等に支給する出張旅費等については、請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。なお、保存すべき帳簿の記載事項は図表のとおりです。

図表 帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合の帳簿への一定の記載事項

    (注)国税庁長官が指定する者に係るものである場合、記載不要。公共交通機関特例の対象事業者は、国税庁長官が指      定する者に当たるため、帳簿に住所又は所在地の記載は不要。

【記載例】

※は、3万円未満の鉄道料金

公共交通機関による旅客の運送

   3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送については、インボイスの交付義務が免除されていることから(以下「公共機関特例」といいます。)、利用客はインボイスの交付を受けることが困難であるため、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められます。3万円未満であるかどうかの判定は、1商品(切符1枚)ごとで判定するのではなく、1回の取引の税込価額が3万円未満かどうかで判定します。例えば、新幹線の運賃が1人1万円であり、4人分を1度の取引で購入した場合は、合計金額の4万円で判定します。

従業員等に支給する出張旅費等

 従業員等に支給する通常必要と認められる部分の出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当は、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められます。出張旅費、宿泊費及び日当のうち、その旅行に「通常必要であると認められる部分」とは社内規定や基準の有無、概算払いか実費精算かにかかわらず、所得税基本通達9-3に基づき判定され、所得税が非課税となる範囲内で帳簿のみの仕入税額控除が認められることになります。                                                                       例えば、社内規定で「1回の旅行当たり3000円」とある一方、所得税非課税の範囲は1万円と認められる場合に、8000円を支給した場合は、8000円が認められます。また、規定がないものの、社員が出張にかかった交通費1万円を実費で請求し、1万円を支払った場合において、1万円が通常必要と認められる範囲内である限り、その金額が認められます。なお、社員に支給する通勤手当については、通勤に通常必要と認められるものであれがよく、所得税法施行令において規定される非課税とされる通勤手当の金額を超えているかどうかは問いません。

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