法人税申告のポイント(3月決算法人)

令和元年度税制改正における改正事項を中心として、令和2年3月期の法人申告においては、いくつか注意が必要なポイントがあります。前回お伝え出来なかった内容を説明します。

(1) 中小企業向け租税特別措置の適用除外措置

中小企業向けの主な税制に関しては以下の図表1のようになります。

図表1 中小企業向けの主な税制

法人税法
(今後も適用可能)

法人税の軽減税率
所得800万円までの部分の本則税率19%

欠損金
繰越控除について、所得額の100%まで損金算入可能
繰戻還付が可能

特定同族会社の留保金課税の適用除外

租税特別措置法
(所得制限により適用不可)

法人税の軽減税率
所得800万円までの部分の特例税率15%

中小企業投資促進税制

商業・サービス業・農林水産業活性化税制

少額減価償却資産の損金算入

 

(2) 中小企業の設備投資を支援する措置の延長等

中小企業の設備投資を支援するための税制措置が、令和元年度税制改正により延長されています。したがって、令和2年3月期の決算申告においては適用があります。具体的には次のとおりです。

①「中小企業経営強化税制」の見直しと延長

「中小企業経営強化税制」とは、青色申告書を提出する中小企業者等が、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき、一定の設備を取得等して指定事業に供用した場合に、即時償却又は税額控除(7%又は10%)を認める制度です。
 平成31年3月31日までの間に取得等して事業供用した資産が対象とされていましたが、これが2年延長され、令和3年3月31日に取得等して事業供用した資産が対象とされました。
 これと同時に、働き方改革に資する設備(休憩室に設置される冷暖房設備、作業場等に設置されるテレワーク用PCなど)も適用対象であることが明確化されています。

② 中小企業投資促進税制の延長

「中小企業投資促進税制」とは、青色申告書を提出する中小企業者等が、特定の機械装置などを取得等して指定事業の用に供した場合に、その事業の用に供した事業年度において、30%の特別償却又は7%の税額控除(税額控除は、資本金又は出資金3000万円以下の特定中小企業者等のみ)を認める制度です。
 平成31年3月31日までに取得等をして事業供用した資産が対象でしたが、これが2年延長され、令和3年3月31日までに取得等して事業供用した資産が対象とされました。

③ 商業・サービス業・農林水産業活性化税制の見直しと延長

「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」とは、青色申告書を提出する中小企業者等が認定経営革新等支援機関等の指導及び助言を受け、一定の器具備品及び建物附属設備を取得等した場合に、30%の特別償却又は7%の税額控除(税額控除は、資本金又は出資金3000万円以下の特定中小企業者等のみ)を認める制度です。令和3年3月31日までに取得等をして事業供用した資産が対象とされました。これと同時に、経営改善により売上高又は営業利益の伸び率が年2%以上となる見込みであることについて、認定経営革新等の確認を受けることが要件に追加されました。

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