年末調整の対象となる給与について

2ヵ所でアルバイトをしている従業員の年末調整について

個人事業主が従業員を雇用しており、他の事業所でもアルバイトをしている従業員の年末調整を当個人事業主の事業所で行うことができるかが問題となります。

 

2ヵ所でアルバイトしている従業員の年末調整については、従業員が「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している給与等の支払者の下で行うことになります。

1 本年1月に個人事業主の事業所に「給与所得者の扶養控除等申告書」が提出されている場合

個人事業主が支払った給与のみで年末調整を行うことになります。

2 個人事業主の事業所に「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出がなされていない場合

個人事業主の事業所に「給与所得者の扶養控除等申告書」が提出されていないため、年末調整を行うことができません。また、当該事業主が支払う給与の税額は税額表の「乙欄」を適用して源泉徴収することになります。

3 本年1月に他の事業所に「給与所得者の扶養控除等申告書」が提出されていたが、本年の中途で「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出先が個人事業主の事業所に変更された場合 

従業員が前の提出先からその変更の時までに支払を受けた給与と、後の個人事業主の事業所から支払を受けた給与の2ヵ所からの給与が年末調整の対象となります。従って、両方の給与と徴収税額をそれぞれ集計することになります。

 他の事業所から交付される源泉徴収票(変更の時までに支給された給与のもの)を従業員から受取り、個人事業主の事業所が支払った給与と源泉徴収額をそれぞれ集計して年末調整を行います。

図表 71日に扶養控除等申告書の提出先を変更した人の取り扱い

申告書を他の事業所に提出

申告書提出先を個人事業主の事業所に変更

1月1日 7月1日 12月31日

他の事業所

①甲欄の給与

②乙欄の給与

個人事業主の事業所

③乙欄の給与

④甲欄の給与

※上記緑色の①、③及び④が年末調整の対象となる給与です。

また、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している給与等の支払者以外からの給与等(上記②乙欄の給与)については、年末調整を行った給与等と合わせて、従業員本人が確定申告により所得税及び復興特別所得税の精算を行うことになります。

事業所は毎月の給与の支払について、その月の勤務分の給与を翌月10日に支給しています。12月勤務分の給与は、翌年の1月10日に支給することになる場合、この1月10日に支給する給与は年末調整の対象になるのでしょうか?

 

翌年1月10日に支給する給与は、本年の年末調整の対象とはなりません。

年末調整は、本年中に支払の確定した給与、すなわち給与の支払を受ける人からみれば収入の確定した給与の総額について行われます。したがって、翌年1月10日に支給する給与は、同日が収入の確定する日となり、本年の年末調整の対象となりません。

 

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