納税環境の整備

(1) 税務関係書類における押印義務の見直し

 国・地方公共団体を通じたデジタル・ガバメントの推進による行政手続きコストの削減や、感染症の感染拡大により、あらわになった課題への対応といった観点から、税務手続きの負担軽減のため、税務署長等に提出する国税関係書類のうち納税者等の押印を求めているものについては、従来より実印による押印や印鑑証明書の添付を求めているものを除き、押印義務が廃止されました。また、地方公共団体の長に提出する地方税関係書類についても、国税と同様、押印義務が廃止されました。 

  • ●改正後のイメージ
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    具 体 例

    押印の要否

    原則

    ①全般

    確定申告書、給与所得者の扶養控除等申告書など

    不要

    例外

    ②担保提供関係書類

    不動産抵当権設定登記承諾書、第三者による納税保証書

    ③遺産分割協議書

    相続税・贈与税の特例における添付書類

  • (注)上記の改正の趣旨を踏まえ、押印を要しないこととする税務関係書類については、施工日(令和3年4月1日)前においても、運用上、押印がなくとも改めて求めないこととされています。                      適用関係:上記の改正は、令和341日以後に提出する税務関係書類について適用されます。

  • (2) 電子帳簿等保存制度の見直し

    【帳簿書類等の区分】

    名 称

    内 容

    国税関係

    帳簿書類

    国税関係帳簿

     総勘定元帳など

    国税関係書類

     決算関係書類(貸借対照表、損益計算書など)

    重要書類

    重要度:高

    契約書、領収書など

    重要度:中

    請求書、納品書など

    一般書類

    重要度:低

    見積書、注文書など

    電子取引

    取引情報の授受を電磁的方法により行う取引

  •  経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上、テレワークの推進、クラウド会計ソフト等の活用による記帳水準の向上に資するため、国税関係帳簿書類を電子的に保存する際の手続が抜本的に見直されました。                                      具体的には、事前承認制度を廃止るほか、改正前の厳格な要件を充足する事後検証可能性の高い電子帳簿については、信頼性確保の観点から優良な電子帳簿としてその普及を促進するための措置が講じられ、その他の電子的な帳簿についても、正規の簿記の原則に従うなど一定の要件を満たす場合には電子帳簿として電子データのまま保存することが当面可能とされました。                   また、紙の領収書等の原本に代えてスキャナ画像を保存することができる制度(スキャナ保存制度)については、ペーパーレス化を一層促進する観点から、手続・要件が大幅に緩和され、電子データの改ざん等の不正行為を抑止するため担保措置が講じられました。

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