自営業者にとって店と奥の区別は重要

   自営業者にとって、自宅と事業所が同一もしくはそれに近い状態であることは珍しくありません。その状況から、事業である「店」の必要経費と自宅である「奥」に関する支出である家事関連費の区別は面倒で億劫な場合もありますが、事業所得を正確に計算するためにはハッキリした色分けが必要です。

必 要 経 費 と な ら な い も の の 例

自営業者が生計をともにする家族に支払った給料、家賃

受け取った家族の側でも収入とはなりません。ただし、青色事業専従者給与は必要経費になります。自営業者と家族の間でのやりとりは、他人との間のものとは異なる取扱いとなっています。

電気代、ガス代、水道代、電話代、ガソリン代などのうち家事用に使用した部分

明確に区別できない場合には、店と奥の使用割合や床面積比など合理的な基準で按分することが考えられます。

自営業者の生命保険料や自宅部分の地震保険料

必要経費ではなく、確定申告の際に生命保険料控除や地震保険料控除の対象となります。

個人的な飲食代や趣味のための費用

事業に関する接待費は必要経費になります。

所得税、住民税、自宅部分の固定資産税

   店舗部分の固定資産税は必要経費になります

事業用、家事用を問わず全ての借入金の元本

事業用の借入金の利息は必要経費になります。住宅ローンがある場合には、住宅ローン控除の適用を検討します。

マイカーや自宅の備品の購入代金

事業用の自動車や備品の購入代金は、減価償却費として必要経費になります。

 

年の中途で就職・退職したパート従業員に対する定額減税の取り扱いについて

   個人事業主が給与等を支払う際には、「源泉徴収義務者」として所得税及び復興特別所得税を源泉徴収する必要がありますが、令和6年6月以後は、6月1日時点で「扶養控除等申告書」を提出している人に対する所得税等の源泉徴収の際に、本人3万円、同一生計配偶者及び扶養親族1人につき3万円の定額減税額の控除(月次減税)を行います。また、年末まで引き続き勤務する人について、令和6年中に支払いの確定した給与等を基に年末調整により計算した年調所得税額がある人は、その年調所得税額から年調減税額の控除を行うことになります。しかし、年の中途で退職したパート従業員については、年末調整の対象とならないため、年調減税を行うことができません。この場合、年末調整未了とする「源泉徴収票」を退職者本人に交付する必要があります。当該源泉徴収票の「(適用)」欄には、定額減税額等を記載する必要はなく、また「源泉徴収税額」欄には、控除前税額から月次減税額を控除した後の実際に源泉徴収した税額の合計額を記載することになります。10月から採用されたパート従業員の2人については、「扶養控除等申告書」を提出されていても基準日在職者には該当しませんので、10月以後の給与等に対する所得税等の源泉徴収の際に月次減税を行うことはできません。ただし、年末まで引き続き勤務する場合には、年末調整の対象者に該当するので、年調減税を行うことになります。年調減税は、以前から雇用しているパート従業員も併せて年末調整を行う際に実施します。実施した定額減税に関する事項は源泉徴収票の「(適用)」欄に記載します。具体的には、実際に控除した年調減税額を「源泉徴収時所得税減税控除済額××円年調所得税額から控除しきれなかった金額を「控除外額××円」、控除しきれなかった金額がない場合は「控除外額0円」と記載します。なお、源泉徴収票の「控除外額」に記載された金額は、所得税及び個人住民税の定額減税と併せて行われる各種給付措置の一つである「調整給付」(所得税から定額減税で引ききれない人への給付)の参考とするものです。

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