交際費の損金算入(飲食費の上限1万円)

(1)改正の内容

   交際費等の範囲から除外される飲食費の金額基準が1人当たり1万円以下(税込経理の場合は税込金額、税抜経理の場合は税抜金額で判定)に引き上げられました。なお、接待飲食費の50%を損金算入できる特例と中小企業の定額控除限度額(年800万円)の特例については変更ありません。また、この改正は令和6年4月1日以後に支出する飲食費について適用されますので、3月決算法人においては令和7年3月期に支出した飲食費の全てが判定の対象になりますが、3月末より前の決算法人の場合は、支出の日で判定することとなり、従来の5,000円基準で判定すべき支出が混在しますので注意が必要です。

(2)税抜経理の場合のインボイスの影響

   令和5年10月1日から適用開始の消費税のインボイス制度に伴い、法人が税抜経理を採用している場合、適格請求書発行事業者以外(インボイス未登録事業者、以下「免税事業者等」といいます。)への支払消費税等のうち、控除できない部分の仕入税額相当額の20%(令和8年9月30日まで)を本体価格に含めることとなります。結果として、交際費等から除かれる免税事業者等への飲食費の支払金額の上限は、税込10,784円(税抜9,803円)となります。このように、1万円基準の判定の際に影響を受けることとなりますので、注意が必要です。ただし、簡易課税又は2割特例を適用する場合(継続して消費税等の全額を仮払消費税等として処理している場合)は、問題ありません。 

中小企業倒産防止共済掛金の損金算入制限

   中小企業倒産防止共済に加入していた法人が、令和6年10月1日以後に共済契約を解除した場合、その解除の日から2年を経過する日までの間に再契約して支払った共済掛金は、損金算入できないこととされました。令和6年10月1日以後に、資金繰り等の都合で一度契約解除し、その後再加入した場合は、支払った掛金が損金算入されないため注意が必要です。

中小企業技術基盤強化税制

   研究開発税制について、青色申告法人のうち中小企業者等は税額控除割合が優遇されており(中小企業技術基盤強化税制)、また、令和8年3月31日までの間に開始する各事業年度において、一定の要件を満たす場合には、試験研究費(図表参照) の税額控除割合の上乗せが受けられます。

図表 試験研究費の範囲

 サービス開発

 

改  正  前

新たな「サービス開発」のために、右表の全てを行う場合が対象

データ収集

センサー等を活用して、自動的に大量のデータを収集

データ分析

専門家がAI等の情報解析技術によってデータを分析

サービス設計

データの分析によって得られた一定の法則性を利用した新たなサービスを設計

サービス適用

当該サービスの再現性を確かめる

現  行

既存データ(企業が既に保有しているビッグデータ)を活用して行う「サービス開発」を対象に追加

 

  デザインの設計・試作

性能向上を目的としない開発業務の考案されたデザインに基づく設計・試作は対象になっていましたが、現行では対象外となりました。

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