確定申告に関する留意点

(1)国税庁の確定申告書作成コーナー

 皆様は国税庁の確定申告書作成コーナーをご利用されたことはございますでしょうか?
 
 国税庁の確定申告書作成コーナーとは、インターネットから確定申告を作成することができるWEBサービスです。  基本的には、24時間いつでも対応可能であり、多忙の人でも無理なく確定申告書を自分で作成することができるため、年々利用者が増加しています。
 
  この確定申告書作成コーナーは、 ①e-Tax  ②書面提出 と大きく2種類あります。
 
 ①e-Taxは、すべてインターネット上の申請で完結しますので、書面提出よりも早く還付を受けることが大きなメリットです。しかしながら、e-Taxを利用するためには、マイナンバーカード又は住民基本台帳カードを所持している必要があります。 これらを所持していない人は、②書面提出をする必要があります。
 
 これは、確定申告書作成コーナーで作成したデータを、一度、プリントアウトし、その用紙を国税庁に郵送するという方法です。印刷と郵送という手間がかかってしまうため、その分、還付の時期が遅くなってしまうことがデメリットです。
 
 幣事務所ではe-Taxによる代理申請を行っております。確定申告書の作成がこれからという方や不安な方がおられましたら、幣事務所でサポートいたします。
 
 確定申告の受付は、平30年2月16日(金)から3月15日(木)までとなっております。還付申告は、2月15日(木)以前であっても行うことができます。
  

(2)医療費控除の改正

① セルフメディケーション税制の創設
 健康の保持増進及び疾病の予防に対して一定の取組を行っている方が、平成29年1月1日以後に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために特定一般用医薬品等購入費を支払った場合には、次の算式によって計算した金額を所得金額から差し引くことができます。
 
 本制度は、平成29年分から平成33年分の所得税について適用されます。
 
 1年間に支払った特定一般用医薬品等購入費の総額ー保険金などで補填される金額ー12,000 = 医療費控除額 (最高88,000円)
 
 セルフメディケーション税制は、医療費控除の特例であり、通常の医療費控除との選択制となっております。従って、セルフメディケーション税制の適用を受ける場合には、特定一般用医薬品等購入費以外の医療費があったとしても、通常の医療費控除を受けたり、選択適用後の更生の請求や修正申告による選択の変更はできませんのでご留意願います。
 
 この「特定一般用医薬品等購入額」とは一体何なのか、次に見ていくことにします。
 
② 特定一般用医薬品等購入額とは
 特定一般用医薬品等購入費とは、医師によって処方される医薬品から薬局等で購入できるOTC医薬品に転用された医薬品(スイッチOTC医薬品)の購入費をいいます。
 
 対象となる医薬品(※)は、薬局等から受け取る領収書に当該制度の対象であることが表示されております。
 
 ③ 一定の取組とは
 セルフメディケーション税制の適用を受けようとする年分に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として「一定の取組」を行っている居住者が対象となります。具体的には、次の取組が、「一定の取組」に該当します。
 
1.保険者(健康保険組合、市区町村国保等)が実施する健康診査【人間ドック、各種健(検)診等】
2.市区町村が健康増進事業として行う健康診査【生活保護受給者等を対象とする健康診査】
3.予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】
4.勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】
5.特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導
6.市町村が健康増進事業として実施するがん検診
 
④ 医療費控除の明細書
 平成29年分の確定申告から、申告書に医療費の領収書を添付(又は申告書を提出する際に提示)する必要がなくなり、代わりに「医療費控除の明細書」(※)を添付することとされました。
 
(※)「医療費控除の明細書」の入力フォームは、以下の3つの項目に分かれております。
         ・医療費通知に関する事項
         ・医療費(上記1以外)の明細
         ・控除額の計算
 
⑤ 領収書の保管
 領収書の提出は原則不要ですが、医療費の領収書は5年間の保管が義務付けられております。
 
 なお、平成29年から3年間は、移行期間として、従来通りの領収書での提出も認められております。

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