令和2年度　新型コロナウィルス感染症　緊急経済対策による税制改正

♦消費税の課税事業者選択届出書等の提出に係る特例

消費税の課税事業者を選択する（又はやめる）にあたっては、原則として、その課税期間の開始前に届出書を提出する必要がありますが、新型コロナウィルス感染症の影響を受けている事業者につき、次の①～③に該当するときは、税務署に申請し、承認を受けることにより、課税期間の開始後であっても、課税事業者を選択する（又はやめる）ことが可能となります。

①　令和2年4月30日以後に申告期限が到来する課税期間において

②　新型コロナウィルス感染症の影響により、令和2年2月1日から令和3年1月31日までの期間のうち、1か月以上の任意の期間の収入が、前年同期比概ね50%以上減少した場合、かつ、

③　当該課税期間の申告期限までに申請書を提出した場合

本特例の適用を受けて、課税事業者を選択する場合、課税事業者を2年間継続する必要はありません。翌課税期間において、課税事業者の選択をやめることも可能です。

■　免税事業者が課税事業者を選択する場合の具体的な適用事例

新型コロナウィルス感染症の影響により、令和2年9月1日から30日の1か月間において、事業としての収入が著しく減少したため、令和2年9月期について、課税事業者を選択し、一般課税により申告を行う場合（9月末決算法人の場合）

令和1年9月期　免税事業者　➡　令和2年9月期　課税事業者

令和2年9月1日から令和2年9月30日までの1か月間の事業収入が著しく減少 ⇓

令和2年10月1日から申告期限までの令和2年11月30日までに申請書を提出 ⇓ 税務署長の承認により、令和1年9月30日時点で「課税事業者選択届出書」を提出したものとみなされることにより、令和2年9月期において課税事業者となることができます。令和3年9月期においては、別途、申請等により免税事業者となることも可能です。

■　課税事業者の選択をやめる場合の具体的な適用事例

当初令和2年9月期について課税事業者を選択していたが、新型コロナウィルス感染症の影響により、令和2年3月1日から31日の1か月間において、事業としての収入が著しく減少したため、令和2年9月期から課税事業者の選択をやめて免税事業者となる場合（9月末決算法人の場合）

令和1年9月期　免税事業者（令和2年9月期「課税事業者選択届出書」提出済）

　　　➡　令和2年9月期　免税事業者（令和2年9月期「課税事業者選択不適用届出書」提出）

令和2年3月1日から令和2年3月31日までの1か月間の事業収入が著しく減少 ⇓ 令和2年4月1日から申告期限までの令和2年11月30日までに申請書を提出 ⇓ 税務署長の承認により、令和1年9月30日時点で「課税事業者選択不適用届出書」を提出したものとみなされることにより、令和2年9月期において免税事業者となることができます。

※免税事業者になることができるのは、その課税期間の基準期間における課税売上高が 1,000万円以下の事業者等です。