令和3年1月以降の「ひとり親」・「寡婦」の源泉徴収の取扱い

令和2年度の税制改正で、未婚のひとり親に対して税制上の措置が講じられるとともに、「寡婦(寡夫)控除」の見直しが行われました。

 改正後の制度は、令和2年分の所得税から適用されますが、月々の源泉徴収においてこれらの改正が適用されるのは、令和311日以後に支払うべき給与等とされています。具体的には、令和3年分以後の扶養控除等申告書において、「ひとり親」又は「寡婦」に該当する旨の記載がある場合には、扶養親族等の数に1人を加算して徴収税額を求めます。


  1. 1.ひとり親

  2. 「ひとり親」とは、現に婚姻をしていない人又は配偶者の生死が明らかでない人のうち、次の要件の全てを満たす人をいいます。

  3. (ア) 生計を一にする子(総所得金額が48万円以下である子に限る)を有する

    (イ) 合計所得金額500万円以下

    (ウ) 住民票に事実婚の記載がない(下記の要件のいずれかを満たすこと)

♢住民票に世帯主と記載されている人の場合                                  同一世帯に属する者に係る住民票に、世帯主との続柄として未届の妻又は未届の夫その他これらと同一の内容である旨の記載がされた者がいないこと。

♢住民票に世帯主と記載されていない人の場合                                 その人の住民票に、世帯主との続柄として未届の妻又は未届の夫その他これらと同一の内容である旨の記載がされていないこと。


  1. 2.寡婦

  2. 「寡婦」とは、下記の図表に掲げる人で「ひとり親」に該当しない人をいいます。

  3.   寡 婦
    夫がいない理由 離婚 死別、生死不明
    人の要件 扶養親族あり
    所得要件 合計所得500万円以下
    事実婚の要件 住民票に事実婚の記載がない
  4.  

  1. 3.扶養控除等申告書の記載

  2.  令和3年1月以降、「ひとり親」又は「寡婦」に該当する場合には、「ひとり親」又は「寡婦」に該当する旨の記載をした扶養控除等申告書を令和3年の最初に給与等の支払を受ける日の前日までに勤務先に提出する必要があります。
  3.  

  1. 4.扶養親族等の数の算定

  2.  扶養控除等申告書のC欄に、「ひとり親」又は「寡婦」に該当する旨の記載(チェック)がある場合には、給与等に対する源泉徴収税額を求める際、扶養親族等の数に1人を加えて計算します。
  3.  

  1. 5.令和2年分と令和3年分の比較例

  2. 「ひとり親」又は「寡婦」の令和2年分と令和3年分では以下のように取扱いが変更されます。
  令和2年分 令和3年分
女性A(夫と死別、子あり、合計所得金額700万円) 寡婦
女性B(未婚、子あり、合計所得金額400万円) ひとり親
女性C(夫と離婚、扶養親族(子以外あり、合計所得金額600万円) 寡婦
男性D(妻と死別、子あり、合計所得金額500万円) 寡夫 ひとり親

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