インボイス制度導入目前!要点のおさらい
インボイス制度の解説をします。小規模事業者に対する納税額に係る負担軽減措置(2割特例)の適用を受けるための手続き、簡易課税制度への移行措置、少額特例について解説します。
小規模事業者に対する納税額に係る負担軽減措置(2割特例) |
4 適用を受けるための手続 |
この特例は、適用に当たって事前の届出は必要なく、確定申告書に適用を受ける旨を付記するだけで適用を受けることができます。継続適用の要件もないので、課税期間ごとに適用を受けるかどうかの選択が可能です。 また、本則課税と簡易課税のいずれを選択している場合でも適用が可能であり、簡易課税制度選択届出書を提出していたとしても、申告の際にこの特例を選択できるため、簡易課税制度選択届出書を取り下げる必要はありません。 なお、既に簡易課税制度選択届出書を提出している事業者が、この特例と本則課税を選択適用できるようにするために届出を取り下げるには、登録日から課税事業者となる経過措置の適用を受けた免税事業者については、登録日を含む課税期間中に取下書を提出することにより、取下げが可能です。
5 簡易課税制度への移行措置 |
この特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間中に、簡易課税制度選択届出書を提出した場合には、提出日の属する課税期間から簡易課税制度を適用できることとされています。 これにより、例えば個人事業者が、令和8年分申告についてこの特例を適用した場合、その翌課税期間中(令和9年12月31日まで)に簡易課税制度選択届出書を提出すれば、令和9年分の申告から簡易課税制度を適用できることとなりますので、この特例の適用可能期間が終了した後に、余裕を持って簡易課税制度の適用を受けるかどうかの検討が可能です。
一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置(いわゆる『少額特例』) |
インボイス制度への円滑な移行と定着を図るため、基準期間における課税売上高が1億円以下である事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れのうち支払対価の額が1万円未満のものについては、インボイスの保存を要せず、帳簿のみの保存で仕入税額控除を認める経過措置が設けられました。
1 適用対象者 |
基準期間における課税売上高が1億円以下である事業者が対象とされています。また、固定資産の売却などの臨時的な課税売上の増加にも対応できるよう、基準期間における課税売上高が1億円超であっても、特定期間(※)における課税売上高が5,000万円以下である事業者も対象とされています。ただし、特定期間における5,000万円の判定について、給与支払額の合計額によることはできません。 ※個人:1~6月までの期間、法人:前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間
2 適用できる期間 |
この特例の適用期間は、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの期間であり、恒久的な措置ではありません。たとえ課税期間の途中であっても、令和11年10月1日以後に行う課税仕入れについては、この特例の適用はないことになりますので留意が必要です。
3 「1万円未満」の判定単位 |
1回の取引の課税仕入れに係る税込みの合計金額が1万円未満であるかどうかにより判定しますので、1商品ごとの金額により判定したり、税抜きの本体価格で判定することはできません。
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