令和6年度 年末調整のポイント
年末調整のポイントを整理します。定額減税制度が導入されたことによる注意点の他にも令和6年の年末調整においては、保険料控除申告書の記載事項が変更されています。これらの変更も含め年末調整の業務負担が増えています。制度を早めに理解して、あわてることなく年末調整シーズンを乗り越えましょう。
(1)「扶養控除等申請書」の記載事項の確認
給与所得者は「扶養控除等申告書」を、その年の最初の給与の支払を受ける日の前日までに提出することになっています。 なお、控除対象扶養親族であった人の就職、結婚などにより控除対象扶養親族の数が減少した場合など、年の中途で「扶養控除等申告書」の記載内容に変更があった場合には、その都度、「異動申告書」を提出することになっています。 給与所得者から提出された扶養控除等申告書から、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除に該当する人がいるかどうかを確認します。
(2)「基礎控除申告書」の記載事項の確認
「基礎控除」とは、従業員の方の合計所得金額が2,500万円以下である場合に、その従業員の方の合計所得金額に応じて最大48万円が控除される制度です。 年末調整において「基礎控除」の適用を受けるためには、勤務先に「基礎控除申告書」を必ず提出していただく必要があります。 また、給与所得者の方が「基礎控除申告書」などにより、勤務先に通知した合計所得金額の見積額(給与所得以外の所得も含みます。)が1,805万円以下の場合は、年末調整において定額減税を受けることができます。
(3)「配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書」の確認
「配偶者控除」とは、従業員の方の合計所得金額が1,000万円以下で、その従業員の方と生計を一にする配偶者の合計所得金額が48万円以下である場合に受けられる控除です。従業員の方の合計所得金額に応じて38万円を限度として控除されます(配偶者が70歳以上の場合は、48万円を限度として控除されます。)。
(4)「所得金額調整控除申告書」の記載事項の確認
「所得金額調整控除」とは、年末調整の対象となる給与の収入金額が850万円を超える人が次のいずれかの要件を満たす場合に適用される控除です。 ①23歳未満の扶養親族を有する場合 ②従業員ご本人が特別障害者である場合 ③従業員の扶養親族や同一生計配偶者が特別障害者である場合 年末調整において「所得金額調整控除」を適用するためには、勤務先に「所得金額調整控除申告書」を必ず提出する必要があります。 控除額は勤務先が以下の計算式により計算し、15万円を限度として給与所得の金額から控除します。
(5)「保険料控除申告書」の記載事項の確認
○ 生命保険料控除 支払った保険料が、 ・一般の生命保険料(新契約・旧契約) ・個人年金保険料 (新契約・旧契約) ・介護医療保険料 のいずれに該当するかは、生命保険会社などが発行した証明書類で確認します。 また、一般の生命保険料の控除額、個人年金保険料の控除額及び介護医療保険料の控除額の合 計が12万円を超えたとしても、生命保険料控除額は最高12万円となります。
出典:国税庁 「年末調整がよくわかるページ」より一部伐採
○ 地震保険料控除 地震保険料に係る控除額は最高5万円です。 旧長期損害保険料に係る控除額は、最高1万5,000円です。 一つの契約に基づく保険料や掛金が、地震保険料と旧長期損害保険料のいずれにも該当する場合 には、いずれか一方を選択して地震保険料控除の計算を行います。 また、地震保険料控除額は、地震保険料の控除額と、旧長期損害保険料の控除額とを合わせ て、最高5万円となります。
○ 社会保険料控除及び小規模企業共済等掛金控除 毎月の給与から差し引かれていない保険料等で本人が直接支払った保険料等について、その全額 を控除することができます。
(6)「住宅借入金等特別控除申告書」の確認
「住宅借入金等特別控除」とは、住宅借入金等の年末残高に応じて、一定額を税額から直接差し引くことができる控除です。最初の年分は確定申告により適用を受ける必要がありますが、2年目以降は、「住宅借入金等特別控除申告書」は、控除を受けることとなる各年分のものを一括して税務署から従業員ご本人に送付していますので、年末調整の時までに「住宅借入金等特別控除申告書」を給与の支払者は提出を受けてください。
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