企業版ふるさと納税
(1)企業版ふるさと納税とは
企業版ふるさと納税とは、地方公共団体が行う地方創生の取組に対する企業の寄付について法人関係税を税額控除する制度を言います。加えて、地方公共団体が作成した地方創生に係る事業(内閣府に「地域再生計画」として認可されたもの)に対して、企業が寄付を行った際に、税額が控除される仕組みです。 企業が寄付を行いやすいように、損金算入による税額控除を上乗せしていますが、寄付額の下限は10万円から可能となっています。2020年度から制度の改正が行われ、従来は企業が自治体に寄付をした際に控除される金額が最大6割だったものが、最大9割にまで引き上げられています。 寄付額は事業費の範囲内とすることが決められており、本社が所在する地方公共団体への寄付は対象外です。また、不交付団体である東京都や三大都市圏の既成市街地等に所在する市区町村も対象外となっています。
出典:内閣府ホームページ
(2)企業版ふるさと納税の控除上限額
企業が地方公共団体に寄付を行う場合、寄付額の約3割が損金算入として認められています。企業版ふるさと納税での寄付については、損金算入分に加えて法人関係税が最大6割控除される仕組みであるため、全体としては最大約9割の税負担の軽減効果が得られます。
決算期末日までに寄付決済が完了していれば、控除の対象となります。寄付決済完了後に、自治体より「寄付受領証明書」が発行されます。その証明書にて経理処理を行うことができます。
(3)企業側のメリット
1.社会貢献やPR効果 企業版「ふるさと納税」による寄附を通じ、環境保全やまちづくり、SDGs活動などの取り組みを支援するなど、地域に対する社会貢献が可能となります。
2.自治体とのパートナーシップや人材育成 寄附をきっかけに自治体と連携し、定期的に合同勉強会やミーティングを開催するなど、地方創生プロジェクトの推進に向けて伴走するケースが一般的です。自治体との関係性を強化することで、地域社会との交流が促進され、企業の人材育成やモチベーションアップにも効果的です。
3.新事業展開や技術革新 自治体との連携が強化されることで、新たなビジネスチャンスの創出も期待されます。自社事業と関連性の高いプロジェクトへの支援を通じて、技術開発やニーズの掘り起こしが加速し、新事業展開の足掛かりとなるケースも少なくありません。
(4)制度利用時の留意点
1.社会貢献やPR効果 個人版とは異なり、企業版「ふるさと納税」では、寄附先の自治体から返礼品を受け取ることはできません。また公共事業の入札や許認可に対する便宜を図ってもらうなど、寄附の見返りとして、経済的な利益を受けることも禁止されています。
2.寄附額や寄附先に制限がある 寄附額の下限が設定されており、1回あたり10万円以上の寄附が対象となります。また国による認定を受けた事業のみが対象となるため、それ以外のプロジェクトに対する寄附は税額控除を適用できません。企業の本社が所在する自治体への寄附についても、制度の対象外となるためご注意ください。
3.赤字企業は負担割合が増加 税額が発生しない赤字企業については、税額控除の恩恵が受けられず、寄附による実質的な負担額も増加することとなります。また税額控除額には上限があるため、自社の利益状況や納税額をシミュレーションしたうえで制度を有効活用しましょう。
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